【フリーゲームコラム 第8回】褒めすぎるのも酷な話です

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 さて。酷評の話は終わりましたが。ついでに褒める方の話もしておきます。エクストラステージです。要はおまけ部屋です。フリーゲームと言えばおまけ部屋があって当然です。

 それで。今回言いたいのは『褒めすぎるのもよくない』ということです。『褒めちゃダメ』ではないです。極端に考えないでね。褒められると嬉しいから褒めてもいいです。

褒めてもいいのよ

 そういえば『フリゲ2021 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム』で私のゲームの『学校の四十不思議』が5票入っていました。他のゲームも1票ずつ入ってた。『今年一番面白かった!』という1票なので、たった1票でもかなり嬉しいです。金メダルを一個もらっています。

 しかし私の低い知名度で5票も入るとは思わんかった。だって私は全然話題に挙がらない無名組です。投稿して5カ月レビュー無しだったゲームです。投票開始時にダウンロード数600です。じゃあダウンロード数が1000超えたら10票ぐらい入るということですか。

 そして今後はその5票を見てダウンロードする人も定期的に出てくるでしょう。おそらく上から順番に遊んでみる人がいます。私も多分そのうち上から順番にやります。宣伝要素が一つ増えた。ちょっとやる気が出ました。褒められるとモチベーションが上がるのは事実だと思います。もっと褒めてもいいのよ。

 ということでベストフリーゲーム用にボリュームのあるゲームを年に一作は作っておいた方がいいかもしれません。どんなに面白くても短編だと『今年一番!』にはなり難い。もっと面白かったやつあるだろう。でも上位に短編あるけどね。短編で上位に入るの凄い。

褒めると人をダメにする

 それで。本題ですが。ズバリ。褒めると人をダメにします。

 これはイチローも言っていまいた。調子に乗せちゃダメなんだってさ。イチローが言うなら説得力があります。やっぱりあんまり褒めないでもらっていいですか。ちょっとだけ褒めて。でもイチローが戦っている世界の理論をフリーゲームの作者に持ってこられても酷な話です。

 甲子園常連の高校の監督は生徒を褒めないらしいです。そこに属している時点で優秀な人材だというのは分かっているので『ほめて伸ばす』をやる必要がないです。優秀な人材は一つのプレーを褒められても別に喜ばないです。喜ぶのは優勝したときだけ。

 例えば、まだ無名の人を褒めて『コイツは優秀か無能か?』を判定するのはいいけど、もう実力が分かっていて期待している人を褒める必要はないです。褒めたらむしろバカにしています。『こんなの簡単なんだよ。オレの実力知らねーヤツが偉そうに評価すんな』みたいな。

 褒められて喜ぶ人はまだ自分がどっちか分かっていない人です。『優秀だと思われたい!』という段階です。そして私はまだ無名だから褒めてもいいです。優秀だと思われたいです。

感情を出すと負ける

 これもイチローが言っていまいた。ヒットを打って喜んじゃダメなんだってさ。イチローが言うなら説得力があります。でもイチローが戦っている世界の理論をフリーゲームの作者に持ってこられても酷な話です。

 喜ぶと『あの人はあれくらいで喜ぶ人なんだ。大したやつじゃないな』と思われるらしいです。ホントは嬉しいけど首をかしげていた方が『今のが不満なのか? あいつ凄いやつなんじゃ・・・』と思われるらしいです。

 自分の凄さをアピールしたかったらあんまり感情は出さないほうがいいでしょう。

無能ほど自分を天才だと思いたがる

 昔からいろんな偉い人が言っている有名な話ですが『無能は自分の事を天才と思いたがる。優秀な人は自分を無能だと思っている』らしいです。無能ほど『自分は凄い!』というアピールが多いです。優秀な人は『オレなんかまだまだだ・・・』って感じらしいです。

 私の同級生に『オレは器用だ!』という人がいます。でも私の知り合いでそいつが一番不器用です。私の今までの人生で『オレは器用だ!』っていうヤツはそいつしかいないけどそいつが一番不器用です。その例を見ると、この格言は合っているかもしれない。

 まずね。『ちょっとこれやって』ってなんか頼むと大体『いや』って断るんですよね。もしくは『これだけは苦手』って言います。人前でいろんなことをやりたがらないです。でも『できる』って言うだけ言います。

 そしてたまにやってくれるんですが、なんか成果物が面白くないです。『料理得意』って言うから何を作るかと思ったらカレーです。5時間かけてこだわって作ったらしいですが普通に家庭のカレーの味です。普通に食えるけど多分得意ではないでしょう。コスパが悪い。

 『ドラムが叩ける』って言うからある日ドラムがある場所に行ったんですよ。そしてとりあえず私もドラムなら『ドンドンタンスタスタタンタン』ぐらいは出来るんでやったんですよ。ちゃんとハイハットも足でオープンしてます。なめんなよ。

 それで3拍子がやりたくなったので『3拍子でかっこよくするのどうするの?』って聞いたら『お前はドラムのセンスがない』と言われました。なんかね『ドラムはセンスで叩く』らしいです。どうやるかは頭で考えない。体が勝手に動くもの。

 そしてそいつの番になって、せっかくだから凄いのが見たくて『ワンハンドロール出来る?』って聞いたら『いや俺ロックだから』とよく分からない理由でやってくれなかった。そして結局変わったことは何もしてくれんかった。そいつの理論で言うところのドラムのセンスは無いです。

 あと『動画が作れる』って言っていたので一緒にユーチューバーをやろうとしたこともあります。だって『動画はプロ』って言ってたもん自分で。そして素材を渡して2か月後に暇な大学生が初めて作ったような動画を持ってきました。画像がゆっくり上下して音楽が流れるだけみたいな。2か月間勉強していたのかもしれない。それで結局一本の動画に2か月かかるならやってられません。

 総評すると。器用じゃないです。出来ないことがたくさんあって。まともに出来ることはあるけど誰でも出来るレベルです。通知表で言うと1ばっかりで3がちょっとある感じ。そういう人が『オレは器用だ!』って言います。3がいくつかあるから器用だと思っています。普通の人は5が得意3を苦手と思います。

 それで結局何が言いたいかと言うと。『俺は天才だ!』と思うと成長が無いです。今後のためを思うならあんまり褒めすぎないほうがいいです。『俺なんかまだまだだ・・・』と本人が自覚している状態を保てる程度に褒めましょう。モチベーションは褒めると上がるからちょっとは褒めてあげて。

天才なんて滅多にいない

 世の中。天才ってそうそういないです。例えばフリーホラーゲームで言うと『ゆめにっき』『青鬼』『魔女の家』の作者なら天才と言っていいと思います。

 この3つはその後たくさんの人がマネをしたゲームです。『雰囲気ゲーム』『鬼ごっこ』『衝撃の真相』です。斬新な仕様のゲームはたくさんありますが、これほどマネをされたゲームは無いです。時代を変えた作品です。これが天才です。

 『のび太のバイオハザード』も天才です。まさかツクールでガンシューティングを作ってくるとはね。プレイヤーが攻撃するアクションはここから始まった可能性あります知りません。もっと前からあったかも。

 名前忘れたけど、天使が主人公でキャラクターをピクチャーにして加速度から計算して1ドットずつ動くアクションゲームをツクールで作っていた人が初期にいました。あの人も天才です。でも作るのが難しくて全然マネされない。ツクールは『ゲームが簡単に作れる』がウリなんで。

 最初の謎解き探索ホラーゲームも天才ですが作品名が分からない。ツクール95製でやったことがあるのを一つ思いついたのが『パレット』ですが、これが最初かどうかは知らない。あんまり覚えていないけど壁抜けがすごかった気がする。

 そういえば、ツクール95は戦闘後の経験値が何回ももらえるバグがあってレベル上げが簡単でした。どこかのタイミングでスペースキーを押すと『経験値100獲得!』が何回も続く。

 それで結局何が言いたいかと言うと。『優秀な人』『面白い人』『センスがいい人』などはたくさんいますけど『天才』はそうそういません。簡単に『天才』と言わないで。無能が調子に乗るから。そういうのが俗に言う『褒めすぎ』です。

 世の中には。自分が出来ないことをやってる人を『天才』と呼ぶ人がいます。私もたまに言ってしまいます。これが人をダメにする。騙されちゃダメですよ。あなたは天才じゃないです。ただの人よりちょっと面白い人です。

勘違いさせると可哀想

 それで。褒めるのはいいです。問題は『褒めすぎ』です。天才と思わせてはいけません。『いけません』というより可哀そうです。割と悲惨な未来がやって来ます。

 例えば『天才は何をやっても許される』という風潮があります。これは私も同意します。結局『最終的に面白いことをやってくれる』という期待がある人のやることは口出しできないです。最初が不安でもどんでん返しがありそうです。素人は黙ってみとけ。

 だから『オレは天才だ!』と勘違いすると横暴になります。やっちゃいけないことをガンガンやります。さらにちょっと人気が出てファンが増えると『私には味方がたくさんいる』と思ってしまいます。何かあっても私の次回作を見たい人がきっと守ってくれる。これが俗に言う『天狗』です。天狗の由来は『日焼けした白人説』が現実的です。

 でも実際はそんなことないです。ファンが全員自分を最推ししてると思うなよ。あなたはこの世にたくさんいるただの人よりちょっと面白い人の一人です。たくさんフォローしてる人の中の一人です。最推しの人数は『あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム』で分かります。天狗になっていいほどのファンを持っている人はいません。

 なので天才じゃないあなたが性格が悪いことをすると普通に嫌われます。もしそこそこ人気がある作者が他人の作品に誹謗中傷を始めたら、過剰に褒めすぎて調子に乗せたファンも悪いです。

 ちなみに。私も嫌われることをガンガンやるタイプですが。私は人気がない頃からこの作風です。この作風で面白いと思う人を集めているので問題ないです。ある意味天狗対策と呼べるでしょう。人気が出たら逆に悪口言うのをやめるとかっこいいかもしれない。

無能は自分の能力を過信する

 分かりやすい例で言うと『続編』です。『続きが見たいです!』というファンがいると続編を作り始める人がいます。まぁそこまではいいです。続編を作ると喜ぶ人多いです。

 でも続編って実は結構難しいです。なぜなら前作で完結させているから。やりたいことを全部やって『やったスゲーの出来た!』と思って投稿したら『続きは?』と言われます。続きがあるなら最初に全部入れています。もう全部出した。全部出した後に『もう一回同じ設定で凄いの作って!』と言われています。それはとても悲しいことです。

 でもそれが出来るって凄いです。私は続編を作れる人に頭が上がりません。単純に凄い才能だと思います。私は続編の難しさを知っているので基本的に作ろうと思いません。人気の漫画家さんはそろそろ終わらせたいけど編集さんが終わらせてくれないじゃないですか。でもそのままどこまでも続きが描けるじゃないですか。凄い才能です。

 でもそれが出来るなら凄いですけど『やる』と言って出来ない人がいます。これが自分の才能を過信した結果です。無能ほど『自分は何でも出来る』と思ってやりたがります。優秀な人は自分の限界が分かるので出来ない事をやりたがらないです。

 でも『やる』と言ったけど早めに『無理でした』と言うなら優秀です。最初の見積もりは失敗しましたが、すぐに限界が分かって自分の非を認められるほど優秀です。失敗しない人間なんてそうそういないのでこれで十分凄いです。

 ちなみに。よく言われる話ですが『見積もりの誤差は10%以内が優秀』らしいです。『10カ月で作ります』と言って『9~11か月』で完成したら優秀です。でもそれってメチャクチャムズイです。まず10%以内は無理です。倍ぐらいで終われば普通ですよきっと知りません。

 それで問題なのが『異様に時間がかかる人』と『逃げてしまう人』です。『続編を作ろう』と考えなければ違う作品がたくさん作れたかもしれないのに。逃げた人はクリエーター人生終わりです。これが自分の才能を過信した結果です。過剰に褒めすぎて調子に乗せたファンも悪いです。

褒めすぎるとハードルが上がる

 個人的にコレが一番可哀そうだと思っています。レビューで『悪いところ一個も無し。完璧。メチャクチャ面白い!』と書いてあるとメチャクチャ面白そうじゃないですか。それはそれは期待します。そのジャンルに興味がない人もやるかもしれない。

 でもそこはやはり個人の趣味があるので『クリアしたが ちょっとあわなかった』という人が出てきます。本来言わなくてもいいこの一言ですが、先の事を思うと書く必要が出てきます。だって他にも騙される人がいるから。

 『悪い箇所あります』ってみんなに教えないと今後も被害が発生します。最初の絶賛が無かったらもうちょっと気を使って書いていたのに。そもそもこんなに期待しなかったもん。ハードルが上がっていなければ『細かい不満はあるけど、総評するとかなりよく出来た作品でした』と書いていたかもしれない。

 その結果。作者は酷評されて辛い思いをします。そして善意の酷評をしたこの人は悪者です。人が『面白い』と言ってることに『面白くない』というやつは面白くないです。最初に絶賛した人も自分の意見を否定するこの酷評を見て面白くないです。

 この物語の登場人物に悪いヤツは一人もいません。しかし全員不幸になりました。悲しい事件でしたね。ゲームだったらこういう話は割と好きです。こういうの作りたい。終わり。

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